法務部の仕事と役割6
法務部の仕事と役割について、ポイント形式で解説するコーナーです。第6回では、債権管理・回収のポイントを解説致します。
債権管理・回収
ポイント26.債権管理・回収と法務部
債権管理・回収には、民法の債権法をはじめ、担保物権法、民事保全法、民事執行法、倒産法など幅広い法律知識が必要となります。企業によっては、経理部など他の部門が、債権管理を行っている場合もありますが、その場合も、法的な面については法務部と連携をはかっていく必要があるでしょう。
ポイント27.債権管理体制の構築
債権管理では、法的な面から債権の発生から消滅までの流れを管理することが、法務部の役割となります。与信管理と信用調査、契約書などの取引書類、消滅時効の制度等について理解した上で、他部門とも協力しながら、日々発生する膨大な債権とそれに伴う取引書類を効率的に管理する体制を構築することが必要となります。
ポイント28.一般財産からの債権回収
債権回収において最も基本となるのが、債務者の一般財産からの回収です。債務者を被告として訴訟を提起して、勝訴判決を得た上で、強制執行を行うことになります。また、その際、債務者の一般財産を保全する制度としては、民事保全のほか、民法上の債権者代位権や詐害行為取消権などが設けられています。
ポイント29.その他の債権回収手法
債権回収においては、事前に担保を設定しておくことも有効な手法となります。担保には、抵当権や質権などの物的担保と、保証のような人的担保があります。さらに、相殺や債権譲渡なども簡易な債権回収の手法として活用されています。法務社員は、これらの制度について理解した上で、使いこなせるようにしおくことが大切です。
ポイント30.取引先の倒産対応
自社が債権を有している取引先が倒産してしまった場合は、倒産法のルールに従って、適切な対応をとる必要があります。倒産手続には、破産や特別清算などの清算型手続と、民事再生や会社更生などの再生型手続があります。法務社員は、各手続の特徴と流れ、債権者として行うべき対応について知っておくことが必要です。
法務社員におすすめの研修テーマ
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研修プログラム(例)
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