知的財産部の仕事と役割9 知的財産紛争・訴訟

知的財産部の仕事と役割9

知的財産部の仕事と役割について、ポイント形式で解説するコーナーです。第9回では、知的財産紛争・訴訟のポイントを解説致します。

知的財産紛争・訴訟

ポイント41.知的財産権の侵害

どのような行為が知的財産権の侵害に該当するかは、知的財産権の種類によっても異なります。また、直接侵害に加えて、侵害とみなす行為(間接侵害)が規定されている場合もあります。知的財産侵害に対しては、差止請求権や損害賠償請求権を行使することができ、過失の推定や損害賠償の推定の規定が設けられている場合もあります。

ポイント42.警告状

知的財産部は、営業部門などと連携して情報収集を行い、第三者による自社の知的財産権の侵害を発見できるようにする必要があります。侵害の可能性を発見した場合には、法務部門や外部の弁護士・弁理士と連携して、事実・権利関係の調査や証拠の収集を行い、侵害の事実が確認できれば、警告状の送付などの対応を行うことになります。

ポイント43.知的財産権侵害訴訟

知的財産権侵害に対する訴えは、民事訴訟によって行われますが、例えば、特許権侵害訴訟では、管轄権、書類の提出、査証、第三者の意見提出、秘密保持命令、公開の停止のような特別な規定があります。また、差止請求については仮処分手続も活用されるほか、特許無効審判との関係にも注意する必要があります。

ポイント44.審判

特許法には、特許庁の行政処分に対して、審判という特別な不服申立制度が設けられています。審判の種類には、拒絶査定不服審判、特許無効審判、延長登録無効審判、訂正審判があります。審判は、3人又は5人の審判官の合議体が行い、民事訴訟に類似した手続が採られていますが、職権主義が採られているなどの違いもあります。

ポイント45.審決等取消訴訟

特許庁の審決等に対する訴えは、行政訴訟となり、行政事件訴訟法の規定が適用されます。もっとも、東京高等裁判所の専属管轄とされたり、裁判所が特許庁長官に意見を求めることができるなど、特別な規定もあります。知的財産部は、これらのルールを十分に理解した上で、法務部門や弁護士・弁理士と連携して適正な訴訟対応を行う必要があります。

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※研修プログラムの内容の一例を、項目形式でご覧頂けます。
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  1. 知的財産部員の心構え
  2. 知的財産部員に必要な能力
  3. 知的財産戦略
  4. 特許権・実用新案権
  5. 意匠権・商標権
  6. 営業秘密・著作権
  7. 出願手続
  8. 知的財産契約
  9. 知的財産紛争・訴訟
  10. 社員への知的財産教育

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