
知的財産部の仕事と役割2
知的財産部の仕事と役割について、ポイント形式で解説するコーナーです。第2回では、知的財産部員に求められる能力のポイントを解説致します。
知的財産部員に求められる能力
ポイント6.法律への知見
知的財産部員には、法律への知見が求められます。具体的には、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法などのうち、自社の事業に関係する法律について十分に理解しておくようにしましょう。また、民法、刑法、行政法、独占禁止法、民事訴訟法などの関連する法律、契約や訴訟についてもポイントを押さえておくとよいでしょう。
ポイント7.技術への知見
知的財産部員には、技術への知見も求められます。特に、特許の出願や権利侵害の判断などの専門的な業務においては、対象となる技術についての知見が必要となります。他方、知的財産部の役割は、研究開発部門や製造部門とは異なることを理解した上で、客観的な視点から技術を評価するとともに、その適切な権利化、保護と活用を図っていく能力も重要となります。
ポイント8.ビジネスへの知見
知的財産部員には、ビジネスへの知見も必須となります。知的財産部の業務は、知的財産の権利化、保護と活用を図ることであり、究極的には自社の目的を達成することであるといえます。そのためには、知的財産部員も、市場や競合他社の動向、その中における自社の経営戦略や事業戦略など、経営やビジネスへの知見を身につけることが大切です。
ポイント9.戦略的思考力
知的財産部員には戦略的思考力も重要となります。知的財産戦略の立案はもちろん、知的財産権の出願・権利化などの業務には、長期的な視野に立った上で適切にリソースを配分し、自社の利益を最大化するための戦略的思考が求められます。また、知的財産契約における交渉や、財産紛争・訴訟への対応においては、自社に有利な結果を得るための戦略的思考が求められます。
ポイント10.交渉力
知的財産部員には交渉力も必須となります。知的財産部の業務では、社内の研究開発部門、製造部門、営業部門などの他部門や経営陣との調整が不可欠です。また、知財契約の相手となる企業や大学との契約交渉や、弁護士や弁理士のような社外の専門家との連携も必要となります。そのため、知的財産部員には、高度な交渉力が求められるといえるでしょう。
知的財産部員におすすめの研修テーマ
研修プログラム(例)
※研修プログラムの内容の一例を、項目形式でご覧頂けます。
※実際の研修では、専用のテキストを使用して解説を行います。
- 知的財産部員の心構え
- 知的財産部員に必要な能力
- 知的財産戦略
- 特許権・実用新案権
- 意匠権・商標権
- 営業秘密・著作権
- 出願手続
- 知的財産契約
- 知的財産紛争・訴訟
- 社員への知的財産教育