
知的財産部の仕事と役割3
知的財産部の仕事と役割について、ポイント形式で解説するコーナーです。第3回では、知的財産戦略のポイントを解説致します。
知的財産戦略
ポイント11.経営戦略と知的財産戦略
知的財産戦略は、知的財産を重要な資源又はツールとして、企業の目的のために取得・活用する戦略といえます。経営戦略の一環としての知的財産戦略の重要性は高まっており、近年では、企業戦略、事業戦略、マーケティング戦略などの立案に際して、知的財産を分析・利用するIPランドスケープの考え方も示されています。
ポイント12.知的財産戦略と組織戦略
知的財産戦略を効果的に立案・実行するためには、知的財産戦略に応じた組織戦略が必要です。例えば、研究開発を重視する知的財産戦略を採る場合は研究開発部門に知的財産部を置く、知的財産権の保護や外部との連携を重視する知的財産戦略を採る場合は法務部門に知的財産部を置くというように、戦略的な組織を構築することが重要です。
ポイント13.パテントポートフォリオ・パテントマップ
知的財産戦略の立案において最初に必要となるのが、自社に係る知的財産の現状を正確に把握し、あるべき目標を検討することです。そのための手法として、自社が保有する特許を管理・分析するパテントポートフォリオや、特許情報を抽出・管理するパテントマップなどを活用することが有効となります。
ポイント14.標準化戦略
知的財産戦略として知られているのが、標準化戦略です。標準化とは、メンバー間の合意によって規格を制定して普及することであり、国際規格と国内規格があります。標準化戦略は、企業が自社の技術をこれらの規格に組み込むことにより、取引先や顧客の信頼の向上、市場シェアの拡大などを目指す戦略といえます。
ポイント15.オープン&クローズ戦略
標準化戦略とともに活用されるのが、オープン&クローズ戦略です。オープン&クローズ戦略とは、企業が自社の技術について、一部を標準化などにより積極的に普及して市場全体を拡大しつつ(オープン)、一部を知的財産権により保護して市場シェアや利益を確保する(クローズ)戦略といえます。
知的財産部員におすすめの研修テーマ
研修プログラム(例)
※研修プログラムの内容の一例を、項目形式でご覧頂けます。
※実際の研修では、専用のテキストを使用して解説を行います。
- 知的財産部員の心構え
- 知的財産部員に必要な能力
- 知的財産戦略
- 特許権・実用新案権
- 意匠権・商標権
- 営業秘密・著作権
- 出願手続
- 知的財産契約
- 知的財産紛争・訴訟
- 社員への知的財産教育