法務研修とは?社内セミナーの目的、テーマと内容、資料と感想までを徹底解説
法務研修とは?法務部門の実施する社内セミナー
企業は様々な社内セミナーを実施しますが、その中でも法務部門が中心となって実施するものが法務研修です。社内セミナーの中でも法務部門が実施するものを指します。
効果的な法務研修を実施するには、①目的の設定、②対象者の特定、③テーマ・内容の決定、④形式の決定、⑤講師の選定、⑥費用・予算の決定、⑦スケジュールの策定、⑧資料の準備、⑨実施、⑩感想とフィードバックという10のステップを順番に進めるとよいでしょう。
①法務研修の目的
1つめは、法務研修の目的の設定です。
法的リスクの管理、特定の法律に関する知識の習得、契約法務、債権管理・回収、紛争の予防・解決などの特定のスキルの向上といった具体的な目標を設定します。毎年、研修を定期的に実施している場合も、ただ漫然と実施するのではなく、その年ごとの目的を明確にするとよいでしょう。
法務研修の目的について、詳しくは下記の「ビジネス法務研修の目的」のページをご覧ください。
②法務研修の対象者
2つめは、法務研修の対象者の特定です。
法務研修では、経営者・役員、法務部門のスタッフ、管理職、新入社員などを対象とすることが考えられます。また、この段階で、事前アンケートやインタビューを通じて、対象者のニーズや期待を把握する場合もあります。
③法務研修のテーマと内容
3つめは、法務研修のテーマと内容の決定です。
最新の法改正、契約法、知的財産法、独占禁止法、会社法、労働法などの基本的な法律知識、契約書の作成とレビュー、債権の管理・回収、法的リスク評価などの実務的なスキルといったテーマを決定した上で、それらを具体的なカリキュラム内容に落とし込んでいきます。
法務研修のテーマと内容の決め方について、詳しくは下記の「ビジネス法務研修のテーマ・ネタの探し方」のページをご覧ください。
④法務研修の形式
4つめは、法務研修の形式の決定です。
集合研修、オンライン研修、eラーニングなどの研修の方式、座学を中心とする講義形式、グループディスカッションや実践的な演習を中心とするワークショップ形式などの研修スタイル、これらの組み合わせなどを決定します。
⑤法務研修の講師
5つめは、法務研修の講師の選定です。
研修講師には、大きく分けて社内の講師と、外部委託の講師があります。社内の講師は、法務部員をはじめ、研修テーマについて知識やノウハウを有する社員が担当します。外部委託の講師は、法律事務所の弁護士、コンサルタントなどの専門家が担当します。
研修の参加者、カリキュラム、形式等については、講師候補に希望を伝え、講師候補からの意見も聞いた上で、調整を行うとよいでしょう。
法務研修の講師の選び方について、詳しくは下記の「ビジネス法務研修の講師の選び方」のページをご覧ください。
⑥法務研修の費用・予算
6つめは、法務研修の費用・予算の決定です。
法務研修には、会場費用、研修テキスト・教材・資料の作成費用などの費用がかかります。また、外部講師を招く場合には、研修費用も必要となるため、見積もりを提示してもらった上で、依頼を行うとよいでしょう。
ここまでのステップを踏まえて、各項目の費用を見積もり、全体の予算を確定するようにしましょう。なお、予算に応じて、研修の参加者の人数やカリキュラムの調整が必要になる場合もあります。
⑦法務研修のスケジュール
7つめは、法務研修のスケジュールの策定です。
研修のカリキュラム内容、形式も踏まえつつ、参加者と講師の都合が合う研修の日時と場所を決定します。また、集合研修の場合は会場の確保、オンライン研修の場合は、プラットフォームの設定などの研修環境の準備が必要となります。
さらに、研修の各セッションの開始時間と終了時間、休憩時間などを含む詳細なタイムテーブルを作成しておくことも重要です。
⑧法務研修の資料
8つめは、法務研修の資料の準備です。
講義のプレゼンテーションのスライド、参考資料などが基本となる資料です。また、グループワークを取り入れる場合は、実際の事例や模擬事例、演習問題などの資料も必要となります。さらに、テストやアンケートを実施する場合には、これらも準備しておきます。
⑨法務研修の実施
9つめが、法務研修の実施です。
研修責任者は、講師による講義やワークショップの進行をサポートします。特に、外部講師の場合は、参加者の氏名や所属部署などは把握できていないため、冒頭挨拶、グループワークの班分け、質疑応答などでは、研修責任者が司会進行を行うとよいでしょう。また、マイクの音声やオンラインの接続が途切れた場合など、トラブルへの対応も必要となります。
⑩法務研修の感想とフィードバック
最後が、法務研修の感想とフィードバックです。
研修の効果を測定する上で、対象者の感想とフィードバックの収集です。研修終了後のアンケートを通じて、対象者の満足度や改善点を把握することに加えて、最初に設定した研修の目的に照らして、対象者の知識向上やスキル習得ができたか達成度を確認します。
その上で、改善点の特定と次回研修への反映を行います。フィードバックを基に、次回研修の内容や形式を改善するとよいでしょう。また、研修の内容を法務の現場で活かしていくことが重要です。
まとめ
以上の①目的の設定、②対象者の特定、③テーマ・内容の決定、④形式の決定、⑤講師の選定、⑥費用・予算の決定、⑦スケジュールの策定、⑧資料の準備、⑨実施、⑩感想とフィードバックという10のステップを順番に進めることで、法務研修を効果的に進めることができます。また、研修の質を高め、研修参加者が実務で役立つ知識とスキルを習得できるようにすることができるでしょう。
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